民法における債務不履行とは、債務者が正当な理由なく、その債務の本旨に従った履行をしないことを指します。これに対する民法の一般原則は以下の通りです。
- 債務不履行の成立:
- 債務者がその債務の本旨に従った履行をしないこと(履行遅滞、履行不能、不完全履行など)が基本的な成立要件です。
- 民法第415条第1項
- 債務者がその債務の本旨に従った履行をしないこと(履行遅滞、履行不能、不完全履行など)が基本的な成立要件です。
- 債務不履行に対する主な救済手段:
- 損害賠償請求: 債権者は、債務不履行によって生じた損害の賠償を請求できます。
- 民法第415条第1項
- 契約の解除: 債権者は、一定の要件のもとで契約を解除することができます。
- 民法第541条(催告による解除)、民法第542条(催告によらない解除)
- 強制履行: 債権者は、債務の性質が許す限り、その強制履行を裁判所に請求できます。
- 民法第414条第1項
- 損害賠償請求: 債権者は、債務不履行によって生じた損害の賠償を請求できます。
- 損害賠償請求の原則:
- 債務不履行と相当因果関係のある損害が賠償の対象となります。
- 民法第416条(損害賠償の範囲)
- 金銭の支払を目的とする債務の不履行(金銭債務の不履行)については、その損害賠償額について特則があります。債権者は損害の証明を要さず、債務者は不可抗力をもって抗弁とすることができません。
- 民法第419条
- 債務不履行と相当因果関係のある損害が賠償の対象となります。
- 債務者の帰責事由:
- 損害賠償請求が認められるためには、原則として債務者に帰責事由(故意、過失または信義則上これと同視すべき事由)が必要です。
- ただし、債務不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであることを債務者が証明したときは、債権者は損害賠償を請求できません。
- 民法第415条第1項ただし書
- 契約解除の原則:
- 催告解除: 債務者に履行遅滞がある場合、債権者が相当の期間を定めて履行を催告し、その期間内に履行がなければ解除できます(ただし、不履行が軽微な場合を除く)。
- 民法第541条
- 無催告解除: 債務の全部の履行が不能である場合、債務者が履行を明確に拒絶した場合など、特定の状況下では催告なしに解除できます。
- 民法第542条
- 催告解除: 債務者に履行遅滞がある場合、債権者が相当の期間を定めて履行を催告し、その期間内に履行がなければ解除できます(ただし、不履行が軽微な場合を除く)。
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