【試験直前期】債権者代位権と詐害行為取消権の違いを表にまとめました!

民法

直前期の確認等に使用してください。

項目債権者代位権 (民法423条)詐害行為取消権 (民法424条)
目的債務者の責任財産を維持・保全すること。債務者が自己の権利を行使しない場合に、債権者が代わってその権利を行使する。債務者の詐害行為によって減少した責任財産を回復すること。
被保全債権金銭債権であること(原則)。履行期にあること(保存行為を除く)。強制執行により実現することのできないものであるときは、この限りでない。金銭債権であること。原則として詐害行為の前に成立していること。
債務者の行為債務者がその権利を行使しないこと。債務者が財産権を目的とする法律行為(詐害行為)をしたこと。
債務者の資力債務者が無資力であること(債権保全の必要があること)。ただし、その権利が専ら債務者の一身に専属するものであるとき、及び差押えを禁じられたものであるときは行使できない。詐害行為によって債務者が無資力(債務超過)になること。
債務者の認識      不要。債務者がその行為が債権者を害することを知っていたこと(悪意)。
受益者・転得者の認識      不要。受益者または転得者が、その行為または転得の時に、債務者の行為が債権者を害することを知っていたこと(悪意)。
行使方法裁判外でも行使可能(ただし、債務者に代位行使する旨を通知する必要がある場合がある)。訴訟で行使する場合は、債務者を被告として、または債務者とともに第三債務者を被告とする。必ず裁判所への訴えによって行使する。受益者または転得者を被告とする。
効果行使した権利の目的である財産または権利が直接債務者に帰属する。債権者は、債務者に代わって弁済を受領し、自己の債権の弁済に充当することができる(事実上の優先弁済)。詐害行為が取り消され、逸出した財産が債務者の責任財産に回復される。特定の債権者への優先弁済を認めるものではない(総債権者のための責任財産保全)。ただし、債権者は、返還された財産から直接自己の債権の弁済を受けることができる場合がある(民法424条の9)。
期間制限被保全債権の消滅時効とは別に、債権者代位権自体の消滅時効の定めはない(被保全債権が時効消滅すれば行使不可)。債権者が取消しの原因を知った時から2年、または行為の時から10年(出訴期間)。
登記・登録債権者が自己の名で登記・登録を求めることはできない(原則)。登記・登録の抹消等を請求できる。
対象となる権利債務者の一身専属権、差押禁止債権は対象外。財産権を目的とする法律行為が対象。債務者の一身専属的な権利の処分行為などは対象外となる場合がある。離婚に伴う財産分与などについては、不相当に過大な部分などが対象となることがある。

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